Twitter @cazusci_ex に呟いた、北四国の叙景。
2009.11.26 (木)
幾重にも重なり、柔らかな稜線が奥行きを見せる石鎚連峰。明るい秋の青空の下、透かし絵のような濃淡は、山の冷気のせいでしょうか。全体が、まるで音楽です。(川内)
2009.12.1(火)
やがて小柄なちどりが白い船体を輝かせ、沖に姿を見せる。見る見る近づいたかと思うと軽快に舵を切り、九十度の航跡を残しながら、防波堤の中に滑り込む。優雅に速力を落とし、着岸するまでの全てを、晴れた日の港では見ることが出来る。(今治港)
燧灘の北辺を辿り、今治に向かう船。標高の高い稜線が南の雲の上に浮かぶ四国山脈は、この海域で一際巨大なものであることが解る。どっちを向いても何かが見える、箱庭のようなこの海域で、「遥か」と言う言葉に相応しい存在。(燧灘)
2009.12.8(火)
雲一つない冷えた空に朝日がぐるりと描き出す石鎚連峰の稜線は、まるで大きな旋律です。その指先のような丘の下、ランドセルの子供達が畦道を急ぎます。(川内)
2009.12.18(金)
昨夜の嵐は道後平野を見守る山に雪をもたらしました。名前の通りの皿ケ峰は、標高千mの林道から上が白くなる独特の雪景色を見せ、地肌がちの斜面まで冠雪しています。中腹の里山、上林地区の見事な雪化粧が、平地からもよく見えます。古くは温泉郡と呼ばれたこの地に、本格的な冬の到来です。(川内)
新居浜にて。きつく冷えた空気の向こう、雄大に伸びる前線の低い雲の下に、燧灘の対岸の芸予諸島が、くっきりと見えています。複雑な稜線は大島、すぐ横の堂々たる稜線は大三島でしょうか。伯方島のピラミッドは見えるかな。大きな壁のようなのは、生口島でしょう。(新居浜)
高速バスは四国山地の中腹を走ります。目前が、瀬戸内海の真ん中の燧灘です。対岸の山どれかが、鞆の浦を抱える沼隈半島です。比較的低い山陽道の山並みは、諸島と区別がつきません。(土居)
弓削島から見た、こちら側の景色を思い出します。新居浜出身のボクには、まるで彼岸から見た此岸でした。こんな冬の日、二千m近い主峰を持つ石鎚連峰は、瀬戸内海の一番奥に、誇らしく、神々しく、白く、冷厳な姿を見せていることでしょう。(土居)
2009.12.25(金)
道後平野のクリスマスの朝は晴れ。冷たい風を吹き下ろす東の山々は柔らかく霞み、淡い色合いを変えています。高速バスはたちまちにして、まだ薄明かりに霞む東の山襞に入っていきます。(川内)
空は青いのですが、松山道から見る燧灘南岸は深い霧に微睡み、まだ陽がさしていません。かなり冷えているのではないでしょうか。(西条)
讃岐平野は一面の朝日、冬の枯れ色がこがね色に。粒子の反射で光りがふくらむ冷気の奥、五岳山に守られた善通寺五重塔。(善通寺)
2010.1.27(水)
よく晴れた冬の午後の暖かな陽射しをうけ、東の青空には、陰影鮮やかな白い石鎚の威容。二千メートル近い西日本最高峰の麓を、桜三里を越えた松山道が道前平野に出ると、太陽は峠の後ろに落ちかかり、燧灘は、弱々しい光に包まれようとしています(川内から西条)
黄昏れ時に西空を見れば、微かな光を集めて反射する溜め池が、讃岐平野のあちこちに大きな破れめをつくり、向こうの世界を覗かせているようです。その光の穴も、あっと言う間に暗闇に呑まれて、暗く冷たい時間がやってきます。(三豊)
上島町佐島の夕日 posted by (C)cazusci
2010年2月14日日曜日
叙景散文、控え(2009.11.26~2010.1.27)
2010年2月10日水曜日
立春
「女性」性のようなもの
優しい波が幾重にも重なり、複雑に、甘美に、温かな液体
柔らかな、終わりのない
奥深く果てしなく
・・・何も無いのだが
終わってしまえば別々になる
・・・だから
無「性」からの生成を信じるサガ
「あら、私たちは元々泡から生まれたのよ」そこに帰り、そこからやって来る
一滴の春
2010.2.10
徳島市、新町川 posted by (C)cazusci
優しい波が幾重にも重なり、複雑に、甘美に、温かな液体
柔らかな、終わりのない
奥深く果てしなく
・・・何も無いのだが
終わってしまえば別々になる
・・・だから
無「性」からの生成を信じるサガ
「あら、私たちは元々泡から生まれたのよ」そこに帰り、そこからやって来る
一滴の春
2010.2.10
徳島市、新町川 posted by (C)cazusci
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