人であるがゆえの確かな重さでちょうど足の裏の感触が
鍵盤をたたく指と同様に一定とはならない微細な面積を
鉛直の方向に気づくことで積分した暖かな息吹は
指先で
押せば弾き返してくる
指先で
摘みあげれば纏わりついてくる
黄ばんだ肉質、2cmx10cm底面の幾何
逆光の大きな窓をすり抜け
すぐ向こうの山まで楔型に冷えた大気を押し除けながら
夕日を染める柔らかな斜面に
古い樹ノ根ほどの足跡を残す
科学的であるから
視点をずらして観察を行ったところ
その一本の足は二重に伸び上がっているのである
暗くなる手前の谷間の音
その一本の音どもは二重に伸び上がっているのである
触れ合う手前の肌の肌理
十二月になろうというのになんて暖かい日
四時をまわったばかりなのになんて暖かい人たち
よく晴れてくれた
Nov.23, 2007
(広田 灯りの宿「森のかくれんぼ」にて。
つよにいの知人たちによるライブでの、
takechiさんのキーボード弾き語りを聞きながら。)